ロコモ予防か徘徊か

認知症の母は、家の中にじっとしていることができません。

何度も出たり入ったりを繰り返します。

ロコモにならないように歩く、という理由というか言い訳です。

「ロコモ」という言葉は出てきませんし意味もわからないようですが、
歩かなければいけないということだけは確からしいです。

歩くことは確かにロコモ予防になりますが、
いつ「徘徊」に変わるかと心配です。

そんな母とロコモの関係の経緯を振り返ってみます。


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【ロコモ予防に歩くという母】

母がロコモに出会ったのは整形外科の待合室。
認知症になる前から膝と腰の痛みで通っていました。

若いころから畑仕事をやってきたので、
足腰のダメージが歳と共に表面化してきていました。

母は昔からよく歩く方でした。
せまい田舎町で、さほどの用事でなくとも出かけていきました。

スタスタと忙しそうに早足で歩き
70代くらいまで私より歩くのが速かったです。

たぶん歩くことが好きなのだと思います。

次第に歩くことが難しくなってきて
残念で悔しい思いをしていたのでしょう。

待合室でロコモ予防の大きな啓発ポスターを見て
私は母に「ロコモだって」と説明しました。

“ロコモ”という言葉が初耳の母はポカンとして
「どこも?」

「ロコモっていうのはね、足腰の筋肉とか骨とかがダメになること。
歩くことが一番いいんだって」

「あぁ、私はどこも歩けるよ」
なんだかトンチンカンな返事

認知症検査をする前だったのに、
すでに理解が難しいことがありました。

hahaaruki

でも母は歩くことが一番と聞いて嬉しかったようです。
また積極的に歩くようになりました。

認知症が進んでも、歩くのが何よりという思いはあるらしく
暇さえあれば歩きに行こうとします。

「歩かないとダメになるから」

家の周りだけなら良いのですが、
表道路まで出ると車の往来が多いので心配です。

今のところは帰ってきますが、
遠くまで行って帰る道を忘れてしまったら・・と思うと

ついつい外に出た母を引き戻してしまいます。

ロコモ予防のためにも
もう少し自由にさせてあげても良いのでは?

いや、気付かないうちに徘徊してしまったら大変!

そんな葛藤を繰り返す理由のひとつは、
時々ラジオで流されるお年寄りの捜索依頼。

たぶんちょっと目を離したすきに外に出て
帰る道がわからなくて行方不明になってしまうのです。

山の中に入ってしまったら探すのは困難。

どこで交通事故にあうかわからない。

中には考えられないような場所にもぐりこんで、
身動きできずに亡くなっていた、

なんて話を聞いたら、気が気ではありません。

母が玄関の戸をあけるたびにハッとして、
追いかけてしまいます。



ところで
ロコモは高齢者だけの問題ではありません。

若い女性や子供にまで
ロコモ予備軍がいるというのです。

私も他人事ではなく、
自分のロコモを心配すべきでした。

ロコモ度チェックをしてみましょう。

そして
ロコモ予防のため常日頃の食事と運動が大切とのことで、
それもチェックです。

【ロコモチェック & ロコモ予防の食事と運動】

“ロコモ”とは、正しくは「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
筋肉・骨・関節といった運動器の障害のため移動機能が低下した状態。

日常生活の中で立つ・歩く・走る・座るなど身体の移動がスムーズに
行なえなくなったらロコモです。

若くても症状が重度であれば介護が必要になります
高齢者だけがなるものではないのです。

自分は大丈夫かどうか確かめるために
7つの「ロコチェック」があります。

1.片足立ちで靴下がはけない
2.家の中でつまずいたり滑ったりする
3.階段を上るのに手すりが必要である
4.家にやや重い仕事が困難である
5.2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
6.15分くらい続けて歩くことができない
7.横断歩道を青信号で渡り切れない

ひとつでも当てはまればロコモの可能性あり。

私はどうやら大丈夫でした。

ちょっと心配な方は
さらに3つの「ロコモ度テスト」でチェックしましょう。

日本整形外科学会公認の“ロコモチャレンジ”のページです。

①立ち上がりテストhttps://locomo-joa.jp/check/test/stand-up.html

②2ステップテストhttps://locomo-joa.jp/check/test/two-step.html

③ロコモ25 https://locomo-joa.jp/check/test/locomo25.html

ロコモのレベルがわかったら、次はロコモ対策。

簡単な2つのロコトレでロコモ対策ができます。
https://locomo-joa.jp/check/locotre/
ただし毎日続けることが大切。

そして重要なのは骨や筋肉を作る常日頃の食事。

高齢になってから見直しでは遅すぎです。

若いうちから意識的に栄養バランスのとれた食事を心がける。
栄養不足は骨や筋肉の衰えにつながります。

ダイエットしたがる若い女性は
老齢になったらロコモになるかもですよ。

ロコモ予防に効果的な食事のとり方は

●献立は毎食3~4皿(主食、主菜・副菜、汁)。

●高タンパクなおかずをもう1品加える。

●過食・小食、塩分摂取量を抑えると共に
アルコールの過剰摂取を控える。

●高機能食品やサプリメントを上手に取り入れる。

●よくかんで、楽しく食べる。

母の「ロコモ予防のため歩く」ことから、
自分自身のロコモについて考えるきっかけを得て幸いでした。