若年性認知症とは

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“若年性認知症”をご存知でしょうか?

高齢者ではなく、
18歳以上65歳未満で発症する認知症のことです。

2009年の厚生労働省の調査では、
全国で推計3万7千800人の患者がいます。

高齢者の場合認知症になるのは
男性より長生きする女性患者が多いのに対し、

若年性認知症は男性患者の方が多く
働き盛りの40代後半では、人口10万人に27.1人が若年性認知症です。

 


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2004年の韓国映画「私の頭の中の消しゴム」を見て
若年性認知症という病気があることを
始めて知った人もいるかもしれません。

2006年には「明日の記憶」という渡辺謙主演の映画が話題を呼び、
さらに知られるようになったようです。

若年性認知症は高齢者認知症とどう違うのか見てみましょう。

 

若年性認知症の原因疾患としては、
高齢者認知症は約半数がアルツハイマー病なのに対し、
若年性認知症の場合は、血管性認知症が40%、アルツハイマー病が25%です。

発症年齢は平均51.3歳、約30%が50歳未満で発症しています。

上記映画の主人公は、
若い女性と40代の男性でした。

これまでの自分と何か違う、何かが起こっているという不安。
これからどうなっていくのだろうという不安。

若年性認知症と診断を下されたときの衝撃。

少しずつ記憶が消えていく恐怖。
愛する人をさえ忘れていく絶望感。

本人も家族も大きな苦悩と悲しみに耐えきれません。

いや~
ほんとに切ない映画でした。 (´;ω;`)

 

最近は認知症の薬の開発が進み
ある程度進行を抑えることができるようになりました。

早ければ早いほど効果がありますので、
認知症の兆候を見逃さないようにすることが大切。

若年性認知症の場合はとくに早期発見・早期治療が重要です。

若年性認知症の初期症状は高齢者の場合とほぼ同じです。

「認知症 初期症状をチェックしよう」のページで確認。

しかし若年性認知症の場合、
診断がつくまで時間がかかる場合が多いのです。

若いのに認知症になるとは誰も想像できず、
仕事や家事の失敗を疲労や更年期障害など
ほかの原因からきてると考えるからです。

 


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しかも“取り繕い”つまり症状をごまかそうとするのは
高齢者よりも上手です。

本人はもの忘れや失敗を認めたくないので
これまでの自分を維持しようと必死になります。

これに本人はかなり疲れますし、
大きなストレスになっているはずです。

異常を自覚して自ら病院に行けば良いのですが、
そうでなければ周囲の人の配慮が必要です。

もの忘れ、段取りのまずさ、計算ミス、言葉が出てこないなどの
それまでとは違う失敗が増えてきたら
気をつけて見てあげましょう。

とにかく若年性認知症は早期発見・早期治療が重要なのです。

 

働き盛りの人の若年性認知症は経済的な問題も大きいです。

仕事ができなくなれば生活が苦しくなるなど
家族の人生にも大きく影響してきます。

また介護が長引くことで
家族が抑うつ状態に陥るケースも多く、
介護家族の支援も必要になってきます。

若年性認知症には周囲の理解と支援が不可欠です。

国は若年性認知症患者とその家族を支援するため、
2009年度にコールセンターを開設、

自立支援ネットワークの構築などのほか、
ケア・モデル事業を実施しています。

医療費助成や障害年金など各種社会保障制度の充実、
働く意欲のある人のための障害者授産施設の整備なども進んでいます。

そして
40歳以上65歳未満であれば、介護保険が適用されます。

高齢者認知症の人と同様に
介護認定を申請して、デイサービス等介護サービスを利用できます。

若年性認知症は
良い薬と良いサポートで症状が改善する例もありますので、
希望を捨てずに対処していきましょう。


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