前頭側頭型認知症とは

 

前頭側頭型認知症とは、
大脳の前頭葉・側頭葉というところが萎縮する病気です。

前ページの「ピック病」は前頭側頭型認知症のひとつ。

前頭側頭型認知症にはいくつかの異なる原因があり、
ピック病は“ピック球”という異常物質が神経細胞の中にたまるタイプ。

そのほかにTDP-43という蛋白がたまるタイプなどがあります。


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前頭側頭型認知症は若年性認知症です。
ほとんどが65歳以下で発症します。

長い闘病生活・介護生活となるため
本人と家族にとってとりわけ辛い病気です。

 

 

前頭側頭型認知症では
性格の変化と社交性の消失という症状が大きな特徴

派手で騒がしくなったり、
逆に無感動でぼんやりすることが多くなったり。

身だしなみに無頓着になり、不潔でも平気でいる。

店のものを取って食べる、
万引きする、
という非常識な行動をとっても平然としている。

 

このような状態を病気の症状と認識するのは難しいですよね。

前頭側頭型認知症なのに
“躁うつ病”と間違って診断されることもあります。

 


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そのほかの症状としては次のようなものがあります。

●記憶と人格はアルツハイマー型と対称的
前頭側頭型認知症では、初期の頃は記憶力は保たれていますが
人格が変わります。

アルツハイマー型認知症では初期から記憶力が低下しますが、
人格は保たれています。

 

●常同行動
いつも同じコースを歩き回ったり、
同じ動作や文章フレーズを繰り返したり、
同じものを食べ続けたりする。

アルツハイマー病の徘徊とは異なって
迷子になることはほとんどありません。

 

●進行性失語症と語義性失語症
だんだん言葉が出てこなくなる。
そのため物事を理解できても話せなくなる。

言葉の意味がわからなくなるタイプでは、
日常生活で使っている品物なのに、
その言葉の意味するところがわからないという現象。

 

●筋力低下、筋萎縮、嚥下や呂律の障害といった
筋萎縮性側索硬化症の症状を伴う場合もあります。

 

前頭側頭型認知症の進行はゆっくりと
年単位ですすみます。

残念ながら病気の進行を抑えたり、
症状をコントロールするための良い薬はないのが現状。

 

前頭側頭型認知症は
介護する家族にとって負担が大きく対応が難しい病気です。


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